予防原則に基づいた調査や研究のプロジェクトに助成
【公募趣旨】
お米から果物など幅広い農産物に用いられ、シロアリ駆除剤や家庭用殺虫剤として身近な暮らしにも入り込んでいる浸透性殺虫剤(ネオニコチノイドおよびフィプロニル)――。近年の急速な研究の進展により、土壌や水中での持続的な慢性曝露による無脊椎動物への時間累積的毒性や、食物連鎖を通じた漁業への脅威などが明らかになりつつあります。世界の科学者コミュニティからは、生態系と生物多様性全体を脅かすことへの警鐘が鳴らされているだけでなく、ヒトへの毒性を懸念する声も挙がっています。
本助成は、予防原則を踏まえて、製薬メーカーの意向や現行の行政判断に左右されない独立の立場から浸透性殺虫剤の影響を検証する「調査・研究」活動と、浸透性殺虫剤の問題点や最新の研究成果を広く共有する「広報・社会訴求」活動とを支援します。浸透性殺虫剤の被害を防ぐ、規制のあり方や一般市民の消費行動を変える働きかけに活かされるといった方向で、これからの社会が浸透性殺虫剤に向かい合うための公共的な議論の土台となる成果を期待しています。
【応募資格】
ネオニコチノイド系農薬に関する問題提起や、使用の削減ないし中止に取り組む個人および団体(ボランティアグループ、NPO/NGO、公益法人、研究機関、生産者など、地域、法人格、活動実績は問いません
【助成金額】
「調査・研究」部門または「広報・社会訴求」部門
1 企画あたりの上限:100 万円
<備考>
・ 助成対象となる活動の全予算額のうち、10%程度は申請者の自己資金を充当してください。
・ 対象費目は別紙「助成対象費目詳細」をご参照ください。
・ 企画実施にあたって必要な「人件費」(事務局スタッフやアルバイトの賃金など)は、助成申請総額の 30%まで認めます。
・ 実施期間中に費目間の流用(助成額の 30%以内)が生じる場合には、その旨事前に報告し、承認を得たうえで実行してください。30%以上の流用は原則として認めません。
【助成対象期間】
2020 年 4 月 1 日~2021 年 3 月 31 日の間に実施される活動を助成します。
【助成対象活動内容】
a) 調査・研究部門
現行の農薬行政や製薬メーカーの意向から独立し、予防原則に基づいて一般市民・消費者・生産者の保護につながる調査や研究のプロジェクトなど
調査・研究部門の参考重要テーマ(これらの主題に限定しませんが重視します)
・ 閉鎖水系、港湾などの底質汚染実体調査と底生生物への影響
・ 食用水生生物(水産資源)への直接的・間接的な影響
b) 広報・社会訴求部門
ネオニコチノイド問題をより多くの人びとに伝え、どのように対処していけばいいかをともに考えるプロジェクトや、メディアを巻き込んだ課題共有の場づくりなど(企画例:ネオニコチノイド系農薬の使用現場に近い地域でのシンポジウムや対話イベント開催)
※ 目標達成に複数年を要する企画提案については、申請書にその旨希望を書き込めますが、案件の採択と支援は年度ごとに行ないます。
締切:2021年2月1日(月)
問合せ:(一財)アクト・ビヨンド・トラスト助成係